医・形態形成機構学演習 「共焦点顕微鏡の原理と応用」

概要

様々な研究分野において組織観察に蛍光物質(蛍光標識)を用いる機会が増しており、高い解像度により詳細な内部構造の撮像も可能となる共焦点レーザー顕微鏡での観察が必要とされる研究が増えています。医・形態形成機構学演習「共焦点顕微鏡の原理と応用」では、この共焦点レーザー顕微鏡の原理・特性の説明および実際に実機を用いた観察が行われました。前半の講義では共焦点レーザー顕微鏡と通常の光学顕微鏡・蛍光顕微鏡の特性を比較することによりその利点を知ることができました。また蛍光物質のもつ蛍光スペクトルの特性に関する説明もあり、観察の際に注意するべき点などを知ることもできました。後半の共焦点レーザー顕微鏡の実機を用いた説明では実際にサンプル(蛍光標識ビーズ)の観察を行い、共焦点レーザー顕微鏡の高い解像度による撮像を実感することができました。

参加者の声

顕微鏡は、普段の研究生活では使用することはないため、貴重な体験となった。顕微鏡の原理は、今まであまりなじみのない内容であったが、蛍光物質の特性や励起波長、フィルタの波長特性など、専門性の高い内容に関しても学ぶことができ、顕微鏡に対する理解が深まった。特に共焦点顕微鏡での観察において、ピンホールサイズで出力画像に差が出ることが良くわかった。見る側も、何を見たいかをあらかじめ考慮してから、顕微鏡観察を行うことが重要であることもわかった。自分の研究においても光を用いた同じ「可視化」に関するもので共通する部分があり、改めて可視化のおもしろさを体感できた。光の絞り方や指向性、分解能など、自分の研究においても重要な要素であり、大変参考になった。顕微鏡を用いたイメージングは、疾患の解明や効果的な創薬の開発、暮らしをより豊かにする機器開発につながることが期待される技術であることを改めて理解することができた。

今回の演習では蛍光顕微鏡と共焦点顕微鏡の原理と特徴について説明していただいた。恥ずかしながら研究科の実験でも使用している共焦点顕微鏡の詳しい原理は理解しておらず、それだけでもこの演習に参加した意義があったように思う。講義に引き続き、Leica TCS SP8を用いて、FACSの校正に使用するビーズを共焦点顕微鏡で実際に観察した。FACSも自分の研究に使用しており、その校正に用いられるビーズの形の均一さなどを目にできたことは非常に貴重な体験に感じた。BDの技術力の高さを痛感した光景であった。医学部共通機器室は普段はFACS AriaIIIやARVOなどを使用するためにしか利用していなかったが、高性能な共焦点顕微鏡や他の機器も含め自分の研究に有効に活用したいと思った。

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